愛の水玉傘

 




ある日の放課後…。




「あーあ、今日雨降るなんて言ってなかったじゃんか!」
は、突然降り出した雨に文句を言う。

「傘持ってくればよかったなぁ。馬鹿した!」

「おーい、 !!」
のクラスに一人の少年がやってきた。

「どうした、ブン太?今日はやっぱ部活お休み?」

「あったりまえだろぃ?こんな土砂降りの中練習なんてできねぇーっつーの!」

「へいへい。それより、何か用があったんじゃないの?」

「お!そうだったそうだった!!!」









〜〜〜〜〜「愛の水玉傘」〜〜〜〜〜









「はぁ?ブン太まで傘忘れたの??」

「だって、今日の降水確率0%って天気予報で言ってたじゃんか!」

「ブン太と私は同レベルだったか…」

「この天才様と同レベルなんだから、光栄に思え!」
天才と言ってもボレーの天才だろ?と 銀夜は心の中で思った。

「はいはい。天才様と同レベルで光栄ざんす!」(棒読み)

「おい!なんで棒読みなんだよ!」

「気のせいだって!それじゃ、私は濡れて帰るんで!ごきげんよう!」

「なーにがごきげんようだ!濡れたら、お前風邪引くだろぃ?」
このように言い合いをしていても二人は恋人同士である。彼氏であるブン太は彼女である を気遣う。




「大丈夫よ!私、こう見えても体は丈夫なんだから!これしきの雨で風邪を引くような さまではない!」

「嘘はいけねぇな?お前、この前もそう言って雨の中濡れて帰って、翌日学校休んだろ?」

「それは…」

「まぁ、とりあえず下駄箱行ってみようぜ?何本か傘が残ってんだろ。」

「勝手に借りるのは良くないよ?」

「明日元の場所に戻しておけば大丈夫だろぃ?」

「そっか。まぁ、今日は仕方ないよね」
とりあえず、二人で昇降口へ向かう。






「何だよ!傘一本も残ってねぇじゃん!!!」

「皆考えてることは一緒だったんじゃない?」

「ちっ!仕方ねぇな。テニス部連中の下駄箱に折りたたみくらいあんだろ。特に柳生とか柳だったらさ」
ブン太はテニス部レギュラーの下駄箱を探る。




「まずは、ジャッカル!何もねぇな。ったく役に立たねぇな。まぁいい。次は、柳生だ!……あいつの所にもねぇな」
ブン太はジャッカル→柳生→柳→真田→幸村の順番に下駄箱の中を探る。



「ちぇっ!誰も傘持ってねぇよ!」

「ブン太、やっぱり諦めて二人で濡れて帰ろうよぉ」

「いや、まだ仁王が残ってるぜ!」

「だーかーらー!絶対ないって!」

「俺は確かめる!!!!」
ブン太は仁王の下駄箱へ向かう。







「ん?おおおお!!!」

「どうした??」

「なんか袋があるぜ!!!」

「本当?もしかして、傘?」

「分からねぇ。とりあえず、袋の中見てみようぜ!!」
袋を開ける。




「お?なんだこれ…」

「手紙?」

「読んでみようぜ!」

「うん」
ブン太は手紙を読む。その内容とは…。

”丸井ブン太くんへ!これを傘だと思ったら大間違いナリvvvプリv
                   仁王雅治より”



「ざけんなぁ、こらあああ!!!」
手紙を投げ捨てる。

「あはははははは!!!ブン太、やられたねv」

「あんの野郎!!!業とこんなもん置きやがってぇ!!」

「引っかかるブン太も悪いってば、あはははははは」

「お前、笑いすぎ!!!!くそ!!濡れて帰るしかねぇな」

「だから、さっきからそう言ってるじゃない!」

「うっせぇな!」
仁王に騙されたことがよっぽど悔しかったのであろう。 は分かっていた。





「んお?俺の下駄箱に何か入ってる。」

「また仁王くんの仕業?」

「もしそうだったら、明日し返す!」
と言いながら、ブン太の下駄箱に入っていた袋を開ける。

「…………」

「(どうしたんだろ、ブン太)」
急に黙るブン太を見て、 はまた騙されたのかと思うが、敢えて口にはしなかった。

………、最初から自分の下駄箱を見るべきだったんだなぁ」

「え?中身何だったの?」

「折りたたみ傘。」

「え?自分で置いてたこと忘れてたの?」

「違う。母さんが持ってきてくれたんだよ。これで、駅まで濡れて帰らずに済んだな?」

「え?」

「何だよ。相合傘して帰るんだよ。嫌なのか?」

「そうじゃないけど……。でもいいの?」

「濡れて帰りたいのか?」

「そんなの嫌に決まってるじゃない!」

「だったらつべこべ言わずに黙って俺の傘の中に入れ!」

「はーい♪」



相合傘をして帰ることになった。





「おい、もうちょっとこっちに寄れよ」

「でも/////」

「今更赤くなってんじゃねぇよ。」

「相合傘なんて初めてじゃん!……それにしても、なんで水玉なの?」

「慌てて持ってきたから、俺と母さんの間違えたんだろぃ?まぁ、気にすんな」

「うん。」

「でも、母さんには感謝だな」

「そうだね。濡れて帰らずに済んだし」

「そういう意味じゃねぇよ。」

「え?」

「お前とこうして相合傘して、……それにこんなにくっついて帰れることに感謝してんだよ」

「ブン太……」

「俺以外と相合傘なんかすんなよ?いいな?」

「うん////分かってるよv」
ブン太は にニコっと笑って見せる。

「ブン太」

「あ?」

「傘、少し傾けてもらってもいいかな?」

「え?ああ」
傾ける。
それと同時に はブン太の唇にキスをする。

「お前/////」

「傾けたから、周りの人達には見えなかったよvブン太、大好きだからねv」

「へっ!俺だってお前が思ってる以上に大好きだってんだ!!!」
照れくさそうに言うブン太であった。


このまま二人で仲良く駅まで帰った。




FINE



2006.6.24







あとがき

いちもお世話になっているお姉さんからもらった夢です!

ブン太可愛い!!もうさいっこうvvV

相合傘ってキャーーーーーーvvV(うるせっ

ホントありがとう!キラ姉!




ちなみに銀夜っていうのは管理人甃がつかっている名前です。

by甃